おしゃべりのようなもの

記録と記憶です。

【瀬戸内サーカスファクトリー】Voyage

静岡にて、瀬戸内サーカスファクトリーの現代サーカス「Voyage(ヴォヤージュ)」をみました。1日目、2日目と両日観ましたが、時間帯や外の明るさによって雰囲気や見え方も違い、美しかったです。

 

衣装は途中でかわりますが、どちらも白(少しだけオフホワイト)くて、最初の衣装は中にライトが設置されていて美しく光っていました。衣装とっても好きだったなぁ。

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瀬戸内サーカスファクトリー「Voyage」

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瀬戸内サーカスファクトリー「Voyage」

 

一番に驚いたのは、大旗の美しさ。あんなに綺麗に動くのかと感動しました。

1日目の最後、たまたま座っていた席の横を旗が通り、顔の目の前(視界が一面旗の白色で埋め尽くされるほど、本当に鼻の先の場所)をひらりと通ったのですが、触れなかったのです……。大旗の麻風さんのすごさを知りました。きっと、ミリ単位(もしかしたらそれ以下)であの大きな旗を操れるんだと思います。息をするように旗を動かしているし、生き物のように旗を操っているのかもしれないし、自分の体のように操作しているようでした。

旗が動くとこんなにも美しいなんて知りませんでした。また絶対に観たいです。

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麻風さん(大旗)

今回私は久々の現代サーカスで、初めての瀬戸内サーカスファクトリーだったので、嬉しい気持ちでした。

ジャグリング、シルホイール、一輪車、エアリアル、大旗、そして、生演奏(チェロ・パーカッション)。ジャグリングは長岡さん(ハチロウ)、シルホイールは界さん。そしてエアリアルは、CouCouで拝見して魅了された吉田亜希さん(悟空も素敵でした!)。

界さんのシルホイールは、きっと香川でものすごく鍛錬しているんだろうなと思わされる技術で、また今後も観たいと思いました。ハチロウさんのジャグリングも楽しかった。欲を言えばもっともっと観たかったな!!!

亜希さんの目線や姿勢(背中や肩のライン)が私は好き。CouCouで拝見したテキストの作品や使用していたオブジェも好き。また亜希さんを観れて嬉しかったです。

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吉田亜希(エアリアル

 

 

私は現代サーカスの「音楽」も好きなので、一つだけ。

今回のチェロとパーカッションの音楽は、ストーリーを運んでいく上で重要な意味合いもあったかなと思うのですが、作品に合った音色で雰囲気を作っていたと思いました。(特にパーカッションに関しては森の中のような不思議を音で感じさせていた) チェロの作品導入部の音色の作り方も素敵でした。

ただ、一つの作品を通して、主要なメロディーを感じられる曲が無かったと思いました。

個人的にはですが「Voyage」を思い起こすような主要な旋律があったら、よりよかったのかなと。こんな作品だったな、と思い出すときに、視覚(風景、衣装、光、人の動き)と共に聴覚の記憶もあると思うのですが、効果音的な単音は思い出せても、映像とともに時間が流れるような「音楽」が、思い出されにくい気がします。

 

こう考えると、現代サーカスにおける「音楽」の重要性を改めて感じますし、曲があてがきされているような作品は貴重なんだとも再確認しました。

そして、演者の細やかな動きや間、呼吸に敏感に、繊細に音をあてがう音楽家のスキルも、また重要であり貴重なんだなと感じました。今回は、パフォーマーが動き回る広さが広かったから、全ての演者の動きを察知しての音楽作りは難しかったと思うのですが、1回目、2回目の空の色の違いのように、生演奏の音楽の違いも楽しみたかったなとも少しだけ思いました。

(というのは、本当に個人的な感想ではあります)

 

地元静岡で良い作品を観れて嬉しかったです!

そしてこういった社会情勢下で無事に開催してくださったことを、演者の皆さま、制作の皆様、スタッフの皆さまに感謝いたします。ありがとうございました。

 

ながめくらしつや瀬戸内サーカスファクトリーなど、多くの現代サーカス作品がこれからも日本で生まれて活発になっていったら嬉しいなと思います!(もっと観たい!!!)